第2話
「酷い……」
朝から濃厚過ぎて、ぐったりしながらも累先輩に連れられるがまま学校に向かう。
主に腰から下が痛い……。
ジトッと累先輩を睨むと、私の視線に気付いたのかニコッと微笑まれた。
あれだけのことしておいて、なんでこんなにも元気なの……?
「ごめんね。美羽ちゃんが可愛くて」
「謝ればいいって問題じゃないですよ。今日は始業式だというのに!」
「ふふ」
いや、ふふって。
ニコニコとご満悦の様子の累先輩に呆れてため息をつくと、ふと佳奈と矢田くんが前を歩いていることに気づく。
「佳奈」
「? 美羽、と岡崎先輩」
声を掛けると佳奈と矢田くんが振り返り、私たちを見て何故か顔を引き攣らせた。
え……なに、その顔は。
「……美羽、首が……」
佳奈がトントンと自分の首を指して言うので、なんの事かと首を傾げる。
そしてハッとして慌てて首を抑えた。
そういえば鏡を見ていなかったけど、まさか!
「あれほど見えるとこに付けないでって言いましたよね!?」
「そうだね。でも付いちゃったもんは仕方ないよね?」
「仕方ないじゃないですよ……」
髪が邪魔だったから縛っていたけど解こう。少しでも髪で隠れればなんとかなるかも、しれない……。
「岡崎先輩は相変わらず独占欲強いですね。」
「君も独占欲は強いようだけど?」
矢田くんが私の首を見てそう言うと、累先輩は貼り付けた笑みを浮かべてそう返していた。
佳奈が頬を赤くしてるけど、なんとなく突っ込まないでおく。
「それより美羽、今年までで学校辞めるのは本当なの?」
「……うん。そうなってしまったよね」
「まぁ、相手が岡崎先輩だもんね……。学校辞めたとしても変わらず仲良くしてよね?」
「それは勿論! 佳奈は大事な親友だもの」
学校を辞めたからといってこれで縁を切らしたくない。
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