私の日常に割り込んできた
第12話
ちゅんちゅんーーーーーっ
外から鳥の鳴き声が聞こえる。
「ー…っん?」
ゆっくりと目を開く。
もう朝?
窓を見ると、朝日が差し込んでいた。
「眩しい…。」
まだ、寝ぼけ眼であたりを見渡す。
どうやら、自分はベットにいるようだ。
いつの間にベットに行ったんだろう?
「は!!今何時!?」
急いで時間を確認する。
時計は6:00を指していた。
「はー…。
あ‥。」
そういえば、昨日は吸血鬼もとい、ルキに再び血を吸われ、意識を手放したみたいだ。
「仕事に行く準備をしないと……。」
気だるい体を起こし、ベットから離れる。
そういえば、ルキはどうしたんだろうか?
眠ったのかな?
本当に私の家に居座る気なんだろうか?
なんか、服とかいるのかな?
朝から考えがグルグル巡る。
部屋のドアを開けると、パンのいい匂いが部屋に立ち込めていた。
「いい匂い…。」
真緒はパンの匂いによろよろ引き寄せられていく。
「真緒、おはよう!」
声をかけてきたルキは、キッチンに立って、朝ごはんの用意をしていた。
テーブルには一つの皿にパンとスクランブルエッグにソーセージが盛り付けられ、小さな皿には新鮮なサラダが盛り付けられていた。
そして、コーヒーのカップからは湯気が出ていた。
「ちょッ!ルキ!!?」
朝から目をギョッとさせる。
何が起こっているんだろう!?
完璧な朝ごはんが目の前にある。
程よく、量も丁度いい。
しかも、何処から見つけてきたのか、エプロンなんてしているし。
ルキが可愛い。
料理もできるのか。
王族って料理なんてしないんじゃないの?
そもそも、吸血鬼だよね?
意外だ。彼氏だったら100点だよね。
ギャップが有りすぎて、昨日の怖いルキは何処にいったんだろう?
「昨日はごめんね。
だから、朝ごはんを真緒のために作ってみた。」
ニコッと無邪気な笑顔で真緒に笑いかける。
「ああ…ありがとうございます。
う、嬉しいです。」
少し照れながら、真緒はお礼を言う。
「今日も仕事なんだよね?
さあ、顔を洗ってきなよ。」
「うん…。」
縮こまりながら、真緒は洗面所に向かう。
このやり取りって、なんだかカップルのやり取りみたいで恥ずかしい。
「可愛いな…。」
ルキはボソッと真緒に聞こえないように言った。
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