第18話

結夏とバッタリと遭遇してしまうアクシデントを終え、充は理科準備室へと来た。


ここには用があった。


扉をスライドさせる。


「中木先生、おはようございます。」


「ああ、宝来くん、おはよう。」


男は緊張からか、クイッと眼鏡をあげる。


そんな、メガネをかけた内気な男にいつもの笑顔で挨拶をする。



この男は内気に見えるが…


本性はしたたかで、出世欲が人一倍強い。

それを俺は見抜いていた。



「中木先生、準備はできていますね?

この仕事は貴方にしか頼めない。

怪しまれない程度に票を操作してください」


「勿論だ。

これは、集計係の私にしか出来ないからね」


「宜しくお願いしますよ…中木先生」



そう、出世コースを進みたいのなら、俺の言うことを聞くのが1番なんだよ。



笑顔で理科準備室を出た。

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