第18話

げた箱も人の気配は全くなかった。



大雨のせいで、どこの部活も今日は活動をしていないのだろう。



いつもなら、外から運動部の掛け声が聞こえてくるし、ランニングをしていたりと活気があるはずなのに。




「……あ」




靴をはきかえて、私は声をあげる。



そういえば、図書の先生に忘れ物のノートの事を言うのを忘れていた。



外も中も真っ黒な気味の悪いノート。



カウンターの引出しに入れてきたし、あそこを誰かが開けるわけもない。



報告は明日でもいっか……。



そう思いながら、私は降りしきる雨の中、家へと向かった。







「あー、宿題あったっけ……」




お風呂から出た後、濡れた髪をタオルでふきながら、自分の部屋に戻ってきた。



机の上にカバンを置き、ベッドに座る。

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