第17話
ろう下はさらに薄暗く、人の気配がないため、気味が悪かった。
今日は雨だし、まして梅雨の時期であるから、余計に。
「失礼しました」
職員室に図書室のカギを戻し、図書委員の担当の先生に報告をし終えた私たち。
「じゃあ、また明日」
「あ、うん……。また明日……」
一緒にげた箱まで行くのだとばかり思っていたけれど、河北さんは来た道をまた戻って行った。
職員室のドアを閉めると、静寂の中に雨の音が混じって、他は何も聞こえない。
さっきまでの雷鳴も今では静かだ。
「かーえろっと……」
この空間に一人というのは、いい気分ではない。
私は誰に言うわけでもなくつぶやいて、速足でげた箱へ向かった。
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