第15話

どれくらい時間がたったのかわからない。



嫌な場所にいる時ほど、時間の経過が遅く感じることがあるから。




パッと電気がついた時、私は汗びっしょりになっていた。



停電とともに、エアコンも切れてしまったし。



顔を上げると、河北さんは私の隣にはおらず、窓から外を眺めていた。



フラフラと私も窓のそばに寄った。



激しい雨が窓をたたきつけている。



時々、雷が鳴り、空に閃光が走った。



また、いつくるかわからない停電にビクビクする私。




「こんな天気だし、もう帰らない?また停電になっても嫌だし……」




時計を見ると4時だった。



図書委員の仕事は5時まで。




終えるには1時間早いけれど、私はとりあえず提案してみた。

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