第14話

でも自体はそんなに甘いものじゃなかった。



「由香里ちゃん、最近どうしてる?」


結婚してからしばらく会っていなかった佐藤から呑みの誘いがあったと思ったらこんな事を聞きたかったらしい。


「普通だよ?」普通ではないけど見栄を張ってそんなことを言ってみるも無駄なことだとすぐに悟る事となる。



「いや、知ってっから、全部」


コイツは相沢と仲がいい。俺と三人で会うことはなかったけど二人は頻繁に連絡を取り合ってたんだろう。


「大丈夫か?なんかさ、お前の状態が良くなさそうなんだけど」


「―――仕事が忙しくてね」


「全部知ってるって、仕事じゃないだろ?」


「・・・何が言いたいんだよ?ってか、どこまで知ってる?」



「由香里ちゃんをこの間、夜の街で見かけたんだ」


「・・・友達と呑みに行くこともあるからな」


「――――なんか、こういうことをさ、言うのは気がひけるけどさ、友達と呑みに来ている雰囲気じゃなかったんだ」



久々に会ったと思ったらこっちの気も知らずに淡々と言ってくれる。

恨めしいくらいに正義感丸出しの言葉が胸をえぐるようだった。

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