第12話

寝室で寝ている由香里を起こさないように二人遊びをしていた。


絵を描いたり、色当てゲームをしたり、俺と蓮で考えたカードゲームをしたり。


小一時間くらいそんなことをして遊んだあと、蓮が気に入っているアニメを見ている時だった。

蓮が俺の顔をまじまじと見ながらぼそっと呟いたんだ。


「パパ、わるいこね」

「え?パパが?・・・わるいこなの?」

「うん」

「どうして?」

「パパわるいの」

「ママがパパのことを悪い子って言ってたの?」

「ううん」


そういって首を横に振る。


「パパね、ママのイヤイヤしてるでしょ?」

「…え?ママが嫌がる事?」

「ママ、ニコニコないでしょ?」

「・・・うん、そうだね」


蓮人に悪気はないって分かっているけど、自分で言ってて悲しくなる。


「おいちゃ、ニコニコよ?」


「おいちゃん?――――どこのおじちゃん?」


蓮がおいちゃんと呼ぶ人物は周りにはいない。

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