第10話 Bランク冒険者ハゲーの末路

タイセー

『ほお、人間のスキルレベルMaxしたらシュッって音が出るのか。こっちが防御魔術らしくていいな。』


「とりゃあーー」

 気合いと同時に、速度と重さの乗ったゲハー必殺の槍がタイセーの胴体を貫いた…かと思った…


「なんだよハゲ、人がせっかく防御音のイメージしてるのに邪魔すんじゃねえ!!」


 ゲハー必殺の突きを左手人差し指と親指で挟み込み勢いを止める。槍の先端は砕け、残った部分はの音とともに消滅。


「これだこれ!!シュッよりジュッだな!!これで決まりさwハイティーン・ブギかよww」


「あっ……」「なっ……」「ひぃ……」


 身長2m超えBランク冒険者ゲハー必殺の槍。それを指2本で完全に止めるなんて、見たことも聞いた事もないタイセーの圧倒的実力に会場中が静まりかえる。


「ユ、ユイナ今のは」


「ハイティーン・ブギ。マッチの大ヒット曲ね。家の祖母が好きで毎日聞いてたわ。」


「お前、何を言っている。たまにその良く分からん昭和モードとかいうのに入るよな。」


「ごめん冗談よ。シミズ、今の指2本で槍を止めたのは結界魔術と関係無いわ。体術か格闘、近接系統のスキルよ。つまり魔法だけじゃない、化物よあの子。」


「ユイナ、これは早く友達になった方がよさそうだな。」


「うん賛成。あんなのと敵対したらSランク冒険者の私達でも、命が幾つあっても足りないわ。」


『おい、さっきから俺を鑑定しまくってる瑞穂王国・宮廷魔道師の結菜ユイナ・ライアン。お前の血筋ならこの念話聴こえてるだろ。連れのシミズ・マイコラスと2人、少し話があるから待っててくれ。すぐに片付ける。』


「きゃあ~!!」


「どうした!!ユイナ」


「ちょっと待ってシミズ」


『わ、分かったわギルドの隣にある居酒屋ホッケェードーで待ってるから。』


『ああそれでいい、後でな』


「ユイナ!!」


「行こうシミズ。彼から連絡があった、とにかく出るわよ(汗)」


「よく分からんが了解だ」


 **********


「さて覚悟はいいなハゲファミリー!!」


「「「「ひいぃぃぃぃぃ」」」」


「待て悪かった、決闘だなんてほんの冗談のつもりだったんだ」


「何を言うかゲハー、決闘成立後は冗談等認められん!!王国憲法によって特級犯罪者として鉱山送りになるぞ!!」


「ううー副ギルマス何とか助けてくれー」


「そんな事出きるか、これだけの人間が見てるんだぞ」


「おーーいハゲ、何勝手にくっちゃべってんだ。まだ終わってねーぞ!!」


「ヒュン」


 タイセーの収納魔術でハゲファミリー4人がすっぽんぽんになった。


「えっ!!俺の服が!!」

「うわーーー」「ひいー」


 続いて「ガシッ」

 光 投網バインドで4人の手足がそれぞれで横一線に結ばれる。


「やっぱ収納音はヒュンでバインド音はガシッだな。効果音って奴だw」


 今まで大人しく待機していたミーナがギルドの木剣を手に取り


「タイセー様、ハゲファミリーの股間に付いてる粗末な鉛筆。叩き切りますが宜しいでしょうか。」


「「「「ひいーーーーー」」」」

 悲鳴をあげ泣きわめくCランクパーティー狂犬マッドドッグの4人。


「ダメだろ、いくらミーナでもそれは木剣だ。切った跡がスパッでは無くグチャとなるだろ。下手すりゃ1人か2人は死ぬぞ!!」


「ではこのブラブラしてる石ころみたいな醜い塊。これを叩き潰しましょう。」


「いやぁそれも痛過ぎて1人は確実に死ぬぞ!!」


「2個ありますし、1個だけなら大丈夫かと。」


「あーーどーかなーー。おいハゲ、タマ1つか竿を根元からのどっちがいい?あれ?ブクブク吹いて寝てる?」


 哀れな狂犬いやハゲファミリー4人。タイセーとミーナの身の毛もよだつ会話に口から泡を吹いて気を失なっていました。



 ギャラリー達

「…お前ならどっち選ぶ…」

「一応聞くが何がだ…」

「タマ1潰しと竿根元切り…」

「俺なら殺してくれと土下座する…」

「安心しろ俺もだ…」



 タイセー

「さて副ギルドマスター、決闘の勝者として約束された落とし前を付ける。そこの4人このまま公園前広場に3日間バインド固定する。それ位なら飯食わなくても死なないが、水だけは飲ませてやってくれ。」


「えっ!!このままって素っ裸なんだが!!」


「当たり前だろ、決闘申し込んだのはコイツらだ。しかも俺1人に4人で負けた、服等着る権利は無いw」


「それはそうだが…そのバインド固定ってのは?まさか今の横一線に並ばされ、手足を大の字に固定。ぜ~んぶ丸見え状態のまま3日間って事か?」


「ふっ、ぜ~んぶ丸見えって言葉なかなかのセンスだな副ギルマスww」


「ああ、ありがとう…って違うだろ。こんな奴等でもB・Cランク冒険者だから慕ってる仲間もいる。バインドを外し助けだそうとするぞ。」


「俺のバインドを外す?何の冗談だ副ギル。試して見るといい、触れるどころか5m以内に近寄る事すら出来ない。」


「えっ?しかしそれでは水はどうやって飲ますんだ?」


「ああスマン説明不足だったな。誰か1人俺が許可を与えた者のみ触れる事が出きる。水はその者が飲ませるように。誰がいいんだギル」


「もはやギル呼び、副すら付かないのか…あっーとおおそこの君。新人の確かエル・フィニングだったな。」


「な、なんでしょうか副ギルドマスター様、殿、尊きお方。」


「尊きお方って……役目を回避しようと必死みたいだが今日から3日間、水飲ませ係頼んだぞ。」


「嫁入り前の19歳の私に、マッパ4人 駄犬だけんに近寄ることは憲法違反です!!」


 タイセー

「あーそこは心配するな。毎朝9時から10分間だけ着衣するように魔術をセットしておく。君が飲ませる時はマッパではない。口以外は動かせないから安全もバッチリだ」


 副ギル

「だそうだ…毎朝9時から10分間、今日から3日間だけの気楽な業務だ」


 エル心の中での叫び

『ふざけんなよバカ親父!!な~に~が~気楽な業務だじゃね~よ!!こんな駄犬4匹に1ミリも近寄りたくないんだよ!!』


 タイセー

「ギル何を言っている、3日間は明日からだぞ。今日は決闘当日だから17時に俺がもう1度ここに来る。その時に飲ませてやれ。」


 ギル

「だ、だそうだエル君。今日の17時から任せたぞ、これは正式な業務命令だからな(汗)」


 エル心の中での叫び

『っざけんなよーーバカ親父がぁーー!!だからお前は万年副ギルなんだよーー!!いくら強くても新人冒険者の言うことイチイチ聞くんじゃねーー!!しかもなーにーがーエル君だ!!ファーストネームで呼ぶなーーバカおやじ ーーー!!』


「はい、分かりました。業務命令であれば従います。ではマッパの件だけは約束守って下さいね。」


 タイセー

「あ、ああ凄いな二重人格なのか?心の叫び俺には筒抜けだぞ

『(なーにーがーエル君だ!!ファーストネームで呼ぶなーーバカおやじ ーーー)』www」


 エル

「きゃあーーーーー」



因みに4人のハゲファミリーは気絶した後、タイセーの洗脳によって操り人形化されてるので、絶体服従・安全子犬状態です。生きてる間ずっとねww




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