第15話
私が飲みこんだのを確認すると三浦さんも水分補給をした。
慣れてる、色んな意味で三浦さんは慣れている。
三浦さんからしたら2回目のセックスだけど、私は素面で経験する初めてのセックスだから、刺激が強すぎた。
「私、三浦さんと前回もこんなセックスしたの…?刺激強くて死ぬかと思った…」
「前回も真穂は感度良かったよ。まじで元カレの影響?」
結構顔が本気で、怒っているようにも読みとれたので、急いで否定の意味を込めて首を横にふる。
もう喉がカラカラで必要以上の声を出せない。
「三浦さんだから…」
そう答えるので今の私は精いっぱい。
返事がないのが気になって三浦さんの顔を見れば、嬉しそうに笑って私を見つめていた。
「またしような」
優しい触れるだけのキスを落とした三浦さんに「死んじゃうかも…」と、素直な心情を伝えたら、「手加減する」と楽しそうな声が返って来た。
バーテンダーの仕事もして夜景のドライブもしてセックスもして自宅に向かって運転している三浦さんは、まだ余裕も元気もありそうで、バケモノかも…なんて思ったのを最後に意識が途切れた。
今度は琢磨の夢は見なかった。
三浦さんとドライブに行くまではどん底だったのに、簡単に楽しい記憶で塗りかえられてしまって、三浦さんの腕の中で守られて眠る夢を見た。
温かくて安心するこの夢を、ずっと見ていたいと思った。
パチ。
急に覚醒したように目が覚めて、周りの景色に目を向けると安心できた。
「三浦さんの部屋だ…」
三浦さんを確認するように隣に視線を向けるけど、そこには誰もいなくて、触ってみるともう体温が消えて冷たい場所になっていた。
私は急いでベッドを下りて廊下をパタパタと走りリビングの扉を開けると、ダイニングテーブルで新聞とニュースを確認していた三浦さんが「おはよう」と声をかけた。
「おはよう、ございます…」
「寝れた?急に慌てた様子でこっち来たからびっくりした」
「隣に、三浦さんいると思ったらいなかったから…」
思わず口から出た言葉に恥ずかしくなって、そこから動けなくなってしまった。
三浦さんとは恋人同士じゃないのに、この言葉は重たい女だったかも…。
反応が怖くて顔をあげれない私をふわっと包んだ香りは、もう鼻が慣れた三浦さんの匂いだった。
三浦さんはぎゅーっと圧の強いハグで私を拘束して、「そんな可愛いこと言うなよ、夜まで我慢できないじゃん」なんて恐ろしいことを口にした。
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