第18話

おかしい…。


私は一体何を言ってるんでしょうか。

さっきの中華料理のお店では

一滴もお酒を飲んでいないというのに…


年下の社長に、寂しいとか

何を言ってるんだって

思われそう…


でも、なんだか

このイケメン社長は、ドキドキも

するんだけれど

居心地の良さもあって…


やっぱり

見た目通り、好青年って感じだからなのかな…


「このあたりの、近くに、行きつけのバーがあるんですが」


「行きたいですね」


「終電には間に合うようにします」


終電に間に合うようにするとか…

紳士だな


仕事終わりに、食事に誘われたときは

軽い人かも

って思ったけれど


そういうわけではないんだ


歓迎会として

一緒に食事をしたけれど

このあと行くお店も

その延長線上だと思っていても

いいのかな…


努めて冷静さを

装っている私でしたが

心は妙に浮き上がっていることに

自分自身気付いていました。



社長の行きつけのバーは

駅からさほど離れてはいない

ビルの地下にありました。



今日が初対面なんだし

酔っぱらって羽目を外すようなことは

絶対にしないようにと

心に誓い

私たちは、

バーの店内へと

足を運びました。

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