第15話

さっきと違い、勢いよくプレーをする玲唯。


高い身長を活かしたプレーに、フェイントをかけてのスリーポイント。


さっきまでのが嘘のような玲唯のプレーに女子からの熱い声援があがった。


ータオルを渡しただけなのに…。


私の心臓はもううるさいほどに音を立てていた。


もしかして、

もしかしたら。

玲唯も、同じ気持ちなんじゃ、ないかなー。


そんな淡い期待を抱いた。


何年越しの思いだろう。


この試合が終わって、玲唯と話せたらー


ー伝えてみようか?


そう思っていた。


ビーと試合終了の音が鳴る。


スコアを見れば、64-32での圧勝。


玲唯は私が渡したタオルで汗を拭き、楽しそうにメンバーと喋っていた。


ー早く、私も話せないかな。


そう思っていたときだった。


こちらに、玲唯のキラキラした笑顔が向いた。


ドキリ、とした。


「詩織!」


「え…?」


呼ばれたのは、私ではなかった。

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