第10話
結局3人で学校まで行きながらも、なんとなく2人から半歩下がって歩いた。
ー憂鬱だ…。
彼氏ができたら幸せなのだろうか?
でも。
ーそんな簡単にできるわけないか…
半ば諦め、ため息をついた。
「莉音、元気ないけど大丈夫?」
「あっうん!テスト近いから憂鬱なだけ〜」
「莉音も勉強苦手だもんな」
「翔太!莉音と一緒にしないの!」
あはは、取り繕って、下駄箱で翔太とバイバイする。
桜とは同じクラスだが、翔太とは離れたのだ。
「来年は翔太も同じクラスだといいね!」
ズキ…
桜の何気ない一言が私を貫いた。
ーそれは、私もっと辛くならないかな…
なんて言えない。
「そうだね」
とだけ言って教室へ向かった。
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