第8話

2人が付き合ったのはほんの2週間前だった。


下駄箱で一緒になった突然の翔太の発言。


「莉音。俺さ、桜のことが好きだ」


「え、」


「今まで、3人でいるのが好きで壊さないようにって思ったけど、やっぱり好きなんだ…」


照れながらそういう翔太の言葉に頭を殴られた気がした。


けれど、すぐに私の口は動いた。


「3人の関係なんて2人が付き合っても変わんないでしょ?!翔太も桜も私の大事な友達!ってか桜モテるんだから早く告白しなよ!」


バンっと背中を叩いて、桜のいる教室へ送り出した。


返事はOKだったと、家でLINEで知った。


「これで、よかった…んだよね…」


静かに泣いて失恋したことは2人には言わず、いつも通りのキャラで過ごしていた。

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