第14話
俺達が突然連れてきたびっくりする程美しい容姿を持つ男が、
似合わない倉庫に姿を現したのだ。
「ここは『翡翠』の倉庫だよ。つまりは僕らはここの幹部ってこと」
『翡翠』
霜楓学園の生徒会メンバーが代々幹部を務めてきた不良グループ。
霜楓学園の連中は大体このグループに所属している。
「お前は副会長の権限が与えられた。それは同時にこのグループでの二番目の
権限を得たと同義。だが、それをよく思わない奴らも出てくるだろう」
「つまり、納得させれば良いんでしょ?」
トン、と須崎は一歩後ろへ下がる。
「ほら掛かってきなよ、みんな纏めて相手してあげる」
彼の瞳は、相変わらず虚空を見ていた。
「わ〜……容赦ない」
「こわ、なにあれ」
「三角絞め綺麗に決まってたなさっき」
各々の感想が口から零れる中、俺は冷静に須崎の動きを見ていた。
「……アイツホントに頭良いんだな」
「あ?」
「アイツの動き全部計算されてる。
自分がこう動けば相手はこう動く、そうなれば別の相手とぶつかる、とかな」
丁度、須崎が避けた拳が彼の背後に居た男に当たった。
彼はその様子を、身体を一回転させながら視界に収めていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます