第13話
「おまたせ」
「おい、須崎そのバイクって……」
「あぁこれ?従兄がくれたお古だからどこのか知らないんだよね。
岬クン知ってるの?」
「嘘だろ…それ1300万はするバイクだぞ…」
「へぇ、凄いんだね」
俺達は須崎の乗ってきたバイクに唖然としていた。
海外で一、二を争う金額をするバイクを素知らぬ顔で乗り回す辺り、
やはり須崎は普通ではない。
「それ盗難されたら堪ったもんじゃないね」
「GPS付いてるから大丈夫」
「うわ、流石」
「……まぁ、取り敢えず中入るぞ」
俺の言葉に須崎が振り返った事で話は一旦中断された。
「大きな倉庫だね。それに年季が入ってる」
「代々受け継がれてるものだからな」
「ふぅん…」
須崎が言った通りここはあまり人が寄らない倉庫。
興味がある様で、須崎の瞳は周囲を見ている。
そしてそれはここに居る連中も同じだった。
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