第8話
もともと内気で人見知りが激しかった私には友達は居るようで居なかった。とても消極的で人と上手く接する事ができないのだ。
どうすれば嫌われないのか、あれこれと考えている内に私は常に笑顔でいようと心掛けることにしていた。
男の子に何度か告白された事はあったけれど全て丁寧にお断りした。
私の何が良いのかも分からないし、好きという気持ちが自分自身、良く分からなかったからだ。
1人にはなりたくないけど……少し怖かった。
女の子達に陰口や嫌がらせを受けることも多々あった。いつもニコニコしているのが気に食わないと言われた時は本当に悲しかった……。
精一杯に生きている自分を否定されるのはとても辛い。誰か助けて……といつも心が泣き叫んでいた。
毎日を必死に生きる私を誰が休ませてくれるのだろう。
ある日学校から帰宅すると真っ暗な部屋ですすり泣く声が聞こえた。電気をつけると、そこには目を真っ赤に充血させ涙を流す母が居た。
慌てて、どうしたの?と尋ねると母は「もう生きる意味なんて無いわ」と泣き崩れた。
そんな母の姿を前にし自分の目にも涙が滲むの感じながら、「そんな事言わないで」と言えば母は容赦なく私に罵倒を浴びせた。
あんたに何が分かるのか、と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます