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第18話
朝食を済ませるとさっそく実から食器を洗うように言われ、片づけはじめる。
この位まったく苦にならない。寒い外で今日はどの女を狩るか無駄な体力を使うことなく休めるのだ。
結構いい場所見つけたんじゃないか俺。
食器を洗い終わり、水気を拭いて棚にしまうとソファーで寝転がっている実が俺を呼ぶ。
「銀! 変身! 変身して!」
「獣人になれってこと?」
「そう! 早くはやく」
スウェットの上を脱いで獣人の姿になると、実は俺の爪のある大きな手をひいてソファーの前に座らせる。
目を輝かせて倒れ込むように抱きついてきた。
「ちょっ、なに?!」
「癒される……」
無遠慮に俺の胸あたりに顔をうずめて、トロンとした目をしている。
獣人の姿をこうして人に曝したことはないが、人間の姿じゃなくてもこうなるなら、ホテルで気を抜いて眠っても大丈夫だったのだろうか?
まぁ、変な危険は冒さないのが一番だし、実にかぎっての変な反応なのだと思った方がいいだろう。
それよりも、また実からする甘い香りがしているのが気になる。
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