第11話

一体、何時間私のつまらない話に付き合わせてしまったのだろうかと申し訳ない気持ちに頭を下げた。



「ごめん! 私、カラスさんが来てくれたのが嬉しくて話しすぎちゃった……」



 いくら黙って聞いてくれるからと言っても、烏にも予定があったかもしれないのにと、苦笑いを浮かべて謝る。



『カァカァ!!』



 烏は鳴き声を上げると翼を広げやっと終わったのかと伸びをしているようで、つい笑ってしまう。


 烏は笑う私の顔をまたジッと見てからもう一声鳴き、翼を広げてオレンジ色の空に飛んでいく。



「また来てね。バイバイ……」



 いつだって飛んでいけるのに最後まで私のつまらない話を聞いていてくれたことに、胸が熱くなり夕焼けに吸い込まれていく烏の姿に何度も手を振った。

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