第14話

「わぁ、なになに?この甘い匂い」


遠くで緋音の声が聞こえた。

どうやら、部屋から出てきたようだ。

結局、俺はマカロンと…スコーンを焼き終わっていた。

マカロンは150℃のオーブンで約15分。

スコーンは、イングリッシュスコーンで200℃のオーブンで約20分ほど掛かる。

ちなみに、スコーンにはイングリッシュスコーンとアメリカンスコーンの2種類ある。

イングリッシュスコーンは、丸型で甘みが控えめな物で半分に割ってジャムなどを付けて食べるアフタヌーンの定番だろう。

アメリカンスコーンは、ナッツやチョコの入った三角形の物である。

スタバなんかのアメリカ系列のカフェで販売されている。

緋音は、着替えに行って1時間ほど帰ってこなかった。

俺は、その間お菓子作りに精を出していた。


「暇だったからお菓子を作ったんだ…あー、材料勝手に使ってごめんな」

「ううん、それは大丈夫。えへへ、慎くんのお菓子久し振りだ」


キッチンへやってきた緋音は、キャミソールにホットパンツ姿で真っ白な生足が露わになっていた。

俺は、慌てて視線を逸らす。

無防備すぎだろう。


「じゃあ、紅茶もさっき見つけたから淹れるよ。ソファで待ってて」

「うん、ありがとう」


緋音は、リビングのソファに向かった。

彼女の背を見送りながら、ふと思った。

緋音の華奢な身体を後ろから抱き締めたいと。

俺は、頭を振り払う。

どうやら、美醜の感覚は麻痺しているが性欲よくはそのままのようだ。

俺は、一息を吐いてから紅茶を淹れることにした。


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