第2話

「おはよ・・・うわっ!何々!イタッ!」




玄関から奏の側近、田島隼人(たじまはやと)の悲鳴が聞こえ、私と蓮はお互いに苦笑いをこぼす。



これが毎日の朝。



蓮は大学2年、私は同じ大学の1年になった。



入学式は済み、今日から授業が始まる。




私が高校を卒業してから、朝はみんなで食事を囲むのが定番。




蓮とお兄ちゃん、新見昴(にいみすばる)は白虎に大学に組に、忙しい身なので、私の迎えの時にコーヒーを飲む程度だけど。



今日は食べるより寝たかったらしい。



隼人はいつも此処で食べるようになった。




・・・奏が未だに納得してないけどね。




「ゆいか、コーヒー。」




なんだか満足そうな奏は、戻るなり私に要求する。



「ん。」



お揃いの黒いマグに、奏と自分の分を注ぎ、奏に手渡すと、自身もコーヒーを口に含みながら料理に取りかかる。




今日は、愛読本、【イケてる奥さん】の2月号に掲載されていた、『これで旦那もイチコロ!朝食萌え萌え膳』を作る。



相変わらずフザケた見出しだけど、味はかなりおいしい。



奏の、



「まあまあ普通。」



確率がかなり高いもの。

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