日帝大学

第1話

「ゆいか、準備はいいか?」



「ん。蓮は?朝ご飯食べた?」



「あー、昨日白虎がゴタツいて、寝たの明け方だから食ってねえな。」



「そう・・・じゃあ、一緒に作るから食べていけば?」



「・・・いいのか?」



「い「だめだ。」」




私の体を包む柑橘系の香り。



私の旦那様、新城奏(しんじょうそう)



「もう、食べてないんだからいいじゃない。今日はあと1時間も時間あるし。」




そう言う私、新城ゆいか(しんじょうゆいか)は、一応、義弟になった新城蓮(しんじょうれん)を席に促す。




「・・・ちっ。」





奏は憎々しげに舌打ちをしてキッチンの私を追いかけると、後ろから抱きしめ、鼻先を首筋に埋めた。



「奏?油が飛ぶよ?」



離れてとは言わない私は、もう感覚が麻痺しているのか。



「いい。そんときゃ介抱しろ。」




拗ねたように言う私の旦那様は、未だに絶賛嫉妬中。



「クスクス・・・でも、もうすぐ隼人が食べに」




ピンポーーーン・・・





「来ちゃったね。」



「ちっ。」




奏が舌打ちをして玄関を目指す。



あれは蹴り入れられるな隼人。



私は心の中で合掌した。

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