第26話

成る程、納得。




由香里が好きそうなタイプだ。




妙に納得しながら由香里を見遣ると、その目は完璧にハート型で。




しかも由香里の周りには何故かキラキラと光り輝く様な何かが飛んでいて。




マンガの世界にいるかの様な背景すら見える。




こうなったら今の由香里の目にはあたしすら映らない。




あたしは小さな溜息を吐き出した。




ソイラテのストローをチューッと吸うと、中身は空っぽ。




由香里はイケメンにしか意識が向いてない状態だし、手持ち無沙汰になったあたしは、飲み物を頼もうと席を立った。




(うわ、結構並んでる…)





時間がかかるのを覚悟でレジに行って、冷たいキャラメルマキアートを頼んで由香里の元に戻ろうとした時。




ピタッと足が止まった。




なぜなら。




あたしが座ってた椅子に、由香里が見とれてたイケメンが座っているから。




はい?




どんな展開になっているのやらサッパリ分からないあたしは、コソコソと由香里の元に歩み寄る。




そんなあたしに気付いた由香里が、とっても嬉しそうに言う。




『あ、ひより。彼がこれから一緒に遊ばないかって!もちろん大丈夫だよねっ?』




はぁぁぁ!!?




何言ってんの!?




てか、ナンパ!?




(何で行く気満々で、しかも何であたしまで!?)




あたしが心の中で由香里に問い詰めてると、由香里は見透かしたように答える。




『彼も友達と一緒だし、2対2なら問題ないでしょ?』




(問題大アリだ!!)

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