第25話
あたしの言葉に、由香里の瞳が更に光った。
『今日、ひよりの新居に行ってもいい?ってか行く。ひよりに拒否権はなし』
『はぁ!?』
由香里の突拍子もない言葉に、あたしは思わず大きな声が出ちゃって、周りの客から白い目で見られた。
『ちょっと!なんで急にそうなるの?てか、あたしに拒否権がないとか横暴だし!』
少し小声で反論すれば、由香里はニヤリと怪しげな笑みを浮かべて。
『だって、ワイルド系イケメンってあたしの好みだし!』
キャッキャと1人で盛り上がる由香里にすかさずツッコミを入れるあたし。
『光太郎さんがいるのに何言ってんの!』
『別に浮気目的じゃないんだからいいじゃん。ひよりだって俊一さん以外の男をカッコイイって思う事くらいあるでしょ?それと一緒だよ』
『一緒じゃない!』
あたしと由香里がそんなやりとりをしてる時だった。
『お前おっせぇよ!』
あたし達の斜め後ろから俄かに苛立った様な声が聞こえてきて。
その声の方に視線を向けた由香里が、一瞬で瞳をハート型に輝かせたのが見えた。
『やば!めっちゃカッコイイ!』
由香里の声に反応する様に目を向ければ、視線の先には由香里が好きそうなワイルド系イケメンが僅かに苛立った表情を見せていた。
そして、そのイケメンの正面に『おせぇ』と怒られたと思われる仲間が座るところで。
あたしからはその人の顔は見えないけど、苛立ってる方の顔は良く見える。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます