第24話

明後日からはあたしも由香里も仕事が始まるから、今まで以上になかなか会えなくなるけど、それでもあたしも由香里も幸せで。




あたし的には遠すぎず近過ぎずの今の状態が調度いいけど、淋しがり屋の由香里はもっと沢山会いたいみたい。











『念願の一人暮らしはどう?』




アイスラテをチューッと吸いながら問い掛ける由香里の言葉に反応する様に、頭の中に302号室の彼の顔がポンッと浮かび上がって、それを掻き消す様に頭をブンブンと振ってみる。




そんなあたしに、由香里は興味津々な様子で体を乗り出した。




『なになに?なんかあったの?』




由香里の大きな瞳は、爛々と輝いてて。




こうなると、由香里は白状するまでしつこいのだ。




あたしは小さく溜息を吐き出した。




『隣の部屋の男が嫌な人なの』




心底嫌そうに答えれば、由香里の目は益々輝きを増して。




『どんな人?キモい系?怖い系?あ、おっさん?』




あたしとは対照的な、どこか楽しそうな由香里をチラリと見遣る。




『………見た目は超イケメン。でも性格に難アリな感じ』




『イケメン』と言う言葉に、由香里の大きな瞳がギラリと光った。




『何系?あたしが好きなタイプ?』




(…………由香里さん?光太郎さんが聞いたら怒りますよ?)




そんなツッコミを飲み込んで、ついでにソイラテも飲み込んで答える。




『ワイルド系』

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