第24話
明後日からはあたしも由香里も仕事が始まるから、今まで以上になかなか会えなくなるけど、それでもあたしも由香里も幸せで。
あたし的には遠すぎず近過ぎずの今の状態が調度いいけど、淋しがり屋の由香里はもっと沢山会いたいみたい。
『念願の一人暮らしはどう?』
アイスラテをチューッと吸いながら問い掛ける由香里の言葉に反応する様に、頭の中に302号室の彼の顔がポンッと浮かび上がって、それを掻き消す様に頭をブンブンと振ってみる。
そんなあたしに、由香里は興味津々な様子で体を乗り出した。
『なになに?なんかあったの?』
由香里の大きな瞳は、爛々と輝いてて。
こうなると、由香里は白状するまでしつこいのだ。
あたしは小さく溜息を吐き出した。
『隣の部屋の男が嫌な人なの』
心底嫌そうに答えれば、由香里の目は益々輝きを増して。
『どんな人?キモい系?怖い系?あ、おっさん?』
あたしとは対照的な、どこか楽しそうな由香里をチラリと見遣る。
『………見た目は超イケメン。でも性格に難アリな感じ』
『イケメン』と言う言葉に、由香里の大きな瞳がギラリと光った。
『何系?あたしが好きなタイプ?』
(…………由香里さん?光太郎さんが聞いたら怒りますよ?)
そんなツッコミを飲み込んで、ついでにソイラテも飲み込んで答える。
『ワイルド系』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます