第21話

(やっぱこいつ俺好みだ)




なんて思いながらも、昨日のコイツの様子を思い出した俺の中で、小さな悪戯心が燻り始めた。




俺は口元に笑みを浮かべながら言う。




『人のキスシーン盗み見するなんて、随分悪趣味な女だな』




その言葉に、女の目が点になった事に気付いた俺は、更に一言。




『てか、盗み見じゃねぇか。ありゃ堂々としたガン見だったな』




追い打ちを喰らったかのように顔を険しくした女は、色白の頬を赤くしながら声を荒げる。




『~~~!こんな所で堂々とキスする方が悪いのよ!バカじゃないの!?』




そう俺に罵声を浴びせた女は、ダッシュで階段を駆け降りて行った。




俺の言葉に、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていた隣人の女。




顔を赤くしながら罵声を浴びせた隣人の女。




コロコロ変わる表情を思い出しながら、俺はククッと喉を鳴らした。




朝から面白いモノを見つけて若干のテンション上がった俺。




めんどくせぇけど少しだけ気分良くなったからスタバに向かう事にした。

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