第20話

コンビニで缶コーヒーとインスタントコーヒーと朝メシを買ってアパートに戻った俺は、タバコ片手に缶コーヒーを飲み干してからシャワーを浴びた。




ドライヤーとワックスで髪型を整えてから朝メシを食って暫しまったりする。




気が付けば、昨日買ったタバコのひとつが既に空になりそうな勢いだ。




タバコを吸わない兄貴に良く言われた。




『タバコは成長を妨げるし体に良くないから、吸い過ぎるな』




と。




決して『辞めろ』とは言わない。




それは、親父みたいに頭ごなしに言うと逆効果なのを分かってるからで。




そうゆー点では、親父より兄貴の方がよっぽど俺を分かってる。




でも、中2で覚えたタバコが俺の成長を妨げる事はなかった。




身長だって180以上あるし、大して鍛えた訳でもないのに筋肉質な体型になって。




兄貴の言葉を信じてタバコ辞めなくて良かった。




コレがなきゃ、俺は常にイライラしてなきゃなんねぇし。









ふと時計を確認すると、勇介指定の時間が迫ってる事に気付いた。




(面倒くせぇけど行くか)




重たい腰を上げて部屋を出た時だった。




303号室のドアが開いて、昨日の女が出て来た。




パチッと目があった女は、栗色の髪を綺麗に巻いて、ナチュラルメイクを施して。




春らしいピンクの小花柄のシフォンワンピに、ベージュのスウェードのベストを羽織って、ベストに合わせたベージュのブーティーを履いてて。




スラリとした色白の足がこれまた俺の好みで。

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