第19話

♪♪♪♪♪♪♪~




けたたましいスマホの着信音で目が覚めた。




時計を確認すると、時刻は朝7時を回ったばかりで。




寝起きが悪い俺は盛大な舌打ちをしながら電話に出る。




『朝っぱらから何だよ』




不機嫌MAXな俺と相反して、耳元には陽気な声が届く。




『おぅ、昨日梨華が行っただろ?あいつ超キレてたぞ』




ケタケタ笑いながら言うのは、梨華に俺の所在を教えた勇介だ。




『てめぇ、勝手に教えてんじゃねぇよ』




サイドテーブルに置かれたタバコに手を伸ばしながら低く唸る俺を物ともしない勇介は、ころっと話を変えて。




『んな事より、10時頃会おうぜ。スタバで待ってるわ』




そう勝手に話を進める勇介に小さく舌打ちしながら応える。




『こっちの都合も考えろ』




『どうせ暇だろ?じゃあ10時な』




『おいっ、てめぇ勝手に決めん――――』




俺が反論しようと声を荒げてみれば、既に電話は切れていた。




額に怒りマークをいくつも浮かべながらベッドを降りて、コーヒーを飲もうとキッチンに行くが、実家のようにドリップやバリスタがあるわけじゃなく、インスタントコーヒーすらない。




ないと思うと余計に飲みたくなるもんで、俺は財布を手に部屋を出た。




寝起きの悪さプラス勇介の勝手な言動に腹が立ってた俺は、無意識にドアを閉める手に力が篭っていたらしく。




バタンッと無駄にデカイ音を立ててしまった。

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