第6話 騒ぎとパーティ

「狩人のジョブになろうかな……」

僕の適性ジョブは、剣士・狩人・支援魔法士の三つ。

けれど、剣士は重い剣を振るうには力が足りない。支援魔法士は……魔力保有量が少なすぎて倒れた実績がある。

(訓練すれば保有量も増えるって言ってたけど、倒れる覚悟でやるのはごめんだし……)

そう悩みながらも僕は、冒険者ギルドへと向かった

ギルドに入った途端、いつもよりざわついている空気が肌に伝わった。少し騒がしいホールの片隅にレオンたちがいた

「やあヒロト、おはよう」

「おはようございます。今日のギルド、少し騒がしいですね」

「そうだね。聞いたところ、あの森が一時封鎖らしい」

「あの森って、スライムを狩った?」

「そう。理由は分からないし、そんな発表もないから大体の冒険者がうるさいんだ。うちのアルラーも例外じゃないし」

そういって受付で騒いでいるアルラーを指差した

「まあ収入源が減るだけで、収入自体はあまり変わらないんだからあんなにも騒がなくていいとは僕は思うけどね。ハンスはどう思う?」

「私もレオンと同意見です。収入自体はなにも減りませんから」

そうして談笑しているとアルラーが帰ってきた

「森の封鎖を聞いてもダメだったわ…あそこが一番稼げてたのにぃ!」

「まあまあ落ち着いて」

「いいえ落ち着けないわ!理由が聞けるまで今日一日中受付に張り付いてやるわ!」

そういってまた受付へと向かうアルラーさん…どこにそんな熱意があるんだろうと思っていると

「ちったあ静かにしやがれ荒くれども!全員クラス落としてやろうか!ああ!?」

そう叫んだのはほかの冒険者より体が大きく、傷も多い男

「ギルドマスター…!?」

そう誰かが言った瞬間、騒がしかったギルド内が静かになった

ギルマスは周囲を見渡しながら、ぶっきらぼうに言い放った

「それでいいんだそれで。理由は後日分かる。しばらく待て。それだけだ」

その言葉を残して、ギルマスターは奥へと引っ込んでいった

「納得できねえ…」

とまた誰かが呟いたが騒がしくなることはなかった

「ヒロト、僕たちのパーティに入らないか?」

「…え?今いうこと?まあいいけど」

「ようこそブレイクフォースへ!僕たちは君を歓迎しよう!」

そんな話をしているとまたアルラーが帰ってきて

「ギルマスのヤロウ……今すぐ知りたいってのに、後日ってなによ……」

「まあ知れることは確定したじゃないか。それとヒロトが僕たちのパーティに入ったからこれから歓迎会をするぞ!」

「お気楽でいいわねぇレオンは…それとヒロト、パーティへようこそ。改めて言うけど魔法使いのアルラーよ」

「重剣士のレオンだ。この剣は普通のものより重いから運ぶときは注意してくれ」

「バトルヒーラーのハンスです。基本は回復と支援ですが、近接もある程度いけるのでほんとに危ないときはお願いします」

三人が自己紹介を終えて僕の番になった

「どうも、異世界から来ました弘人です。ジョブは狩人にしましたので遠距離は任せてください。支援魔法もある程度出来るのでこれからお願いします」

「支援魔法士のジョブにはならなかったの?」

「魔力保有量が少ないので断念しました」

「訓練すればよかったのに…」

「また倒れそうなんでやめときます」

そうして僕は晴れてレオンたちのパーティ、ブレイクフォースの一員となった。クラスはまだ低いけれどこれから上げるぞと意気込んで今日は明日のために活動はなしとなり、また宿で寝ることとなった

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