玄関の扉を開けると異世界でした
カルパス愛好家
第1話 突然の転移と人と
「ふぁ~……ねむ……」
カーテンの隙間から差し込む朝日に目を細めながら、弘人はアラームを止めてベッドから起き上がった。
ゆるゆると階段を下り、ぼんやりとした足取りでリビングへ向かう
「おはよ~…」
「おはよう弘人、もう朝ごはん出来とるからちゃちゃっと食べんさいね」
「わかったよ母さん…」
弘人は眠そうにしながらも食事を取り、学校へ行く準備を進めていく
「母さん、俺の弁当どれー?」
「机の上にあるでしょ?青いやつよ青いやつ」
「はーい、ありがとー」
「あと、そろそろテストでしょ?ゲームばっかせずに勉強もしんさいよ?」
「分かってるって!いわれなくてもちゃんとしてるよ」
身支度を終え、バスが来る時間に間に合うように家を出ようとする
「それじゃあ、行ってきまーす」
「はーい、車に気を付けながら登校しんさいよー」
ガチャリ
扉を開け外へ出た瞬間、すべてが変わった
「…は?」
足元には、風になびく鮮やかな緑色の草原。
頭上には、どこまでも突き抜けるような青空――その中を、巨大な羽を広げた生物が優雅に舞っていた
「いやいやいやいや、さすがに夢でs…」
そこにあったはずの玄関扉は跡形もなく、ただ扉が開いたとだけ分かる跡が残っていた
「夢じゃねえのかよ…!」
辺りを見回しても草原がただただ続くだけであり、家に帰れるような道は存在していなかった
(なんで変なところに俺はいるんだよ!今までの道や玄関はどこ行ったんだ!)
そうしてあたふたしていると
グルルルル...
「何だ!って狼ィ!?」
(やばいやばいやばいやばい、なんで狼がここに!?しかも4匹もいるし!なんならこっち見て唸ってくるし、俺は美味しくねえよ!)
その時どこからか石が飛んで来て狼の横腹にあたる
キャイン!
(え、え、え?どこから?人の姿はないのになんで…)
『シルバーウルフども!これ以上石を当ててほしくなかったらさっさと消えろ!』
シルバーウルフと呼ばれる狼が声のほうへ向き、襲い掛かろうと走り出す
バウ!バウ!
(人がいないのに声が…)
ヂャク!
「ひっ!」
ぼとぼとと狼の頭が落ち、居なかったはずの場所から男の人が出てくる
『危なかったな、シルバーウルフに襲われるなんて。ケガはないか?』
「え?なんて?英語?ポーランド語?」
『今なんて?というか聞きなれない言葉だな』
「待って待って!何言ってるのか全然分からないんだけど!」
(うそだろ……異世界転移ものとかって、言葉通じるのが当たり前じゃなかったっけ?なにこのリアル志向……)
その時後方から彼の仲間が出てくる
『ちょっとレオン!いきなり走って行かないで!私たちが置いてかれてるでしょ!』
『ハハハ!いやーすまんすまん、彼がシルバーウルフに襲われていたものでな。すまなかったアルラー』
『はぁはぁ、私の体力のなさを忘れないでほしいものです…』
『人が襲われていたんだ、いちいち考えては助けることもできんからな、すまないなハンス』
『まあ、人を助けれたのならいいですよ。はぁはぁ』
『そうそうアルラー、彼が我々の言葉が分からないらしいんだ、なにか解決法はあるか?』
『あるけど、街に戻らないとないわ。一時しのぎっていうのならあるにはあるんだけど…』
『おおほんとか!さっそくしてくれ!』
『失敗したら喉が潰れて二度と喋れなくなるけどいい?』
『やっぱり街に戻ろうか、さあ!ついてきてくれ!』
(仲間っぽい人が来ていきなりなにか話し出して、そして多分ついて来いって意味の手招き。言葉が分かったら便利なのに、なんで分からねえんだよ!異世界転移系は言語分かるのが普通だろ!まあ、ついていくほかないかぁ…)
そうして僕は、彼らについていくことにした
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
どうもカルパスです。数ある作品の中からこれを選んでいただき誠に感謝申し上げます。私の作品は基本予約投稿ですが、忙しくなると不定期更新になると思います。
温かい目で優しくお待ちいただけると幸いです。この作品が気に入りましたらフォローと応援ハート、応援コメントを書いてくれれば私の創作意欲が湧きますので出来ればお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます