第25話

目を隠されたって浮かんでくる。




あの光景が離れてくれない。




『まず降りろ』




そういって無理矢理、ヨウに車から降ろされた私。




私の目の前には、私のフードを少し上げて目線を合わせてくれてるヨウの姿。




『ユカさんも今、救急車に乗って病院に向かう。』



“しっかりしろ。”


“ユカさんの娘だろ。”


“今は踏張れ。”


“後から泣きたいだけ泣いていいから。”




“泣き顔なんて俺が隠してやるから、今は泣くな。”



ヨウが私を見て言ってくる。

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