第28話
――でもやったのは事実――
僕の念仏以上に強烈なインパクトで誰かの言葉が脳裏にたたきつけられる。僕は枕に二、三度頭を突っ込むと、やがて腹をすえ、少女に向き合った。抱きまくっていたときには、女体にしか見えなかった少女の姿に、あどけなさが呼び戻っていた。
明るくなった部屋の照明のセイかもしれない。まとうシーツが淡いピンクだからかも。再び頭が痛くなる。めまいを覚える状況の中、僕は少女の両肩をつかみ、真顔で叫んでいた。
「責任取りますから、付き合いましょう!」
一体どんな言葉だ。なぜに丁寧語だ。もう全てがわからない。
だけど、事をしでかしてしまった以上、己のケツは己でぬぐう! それが唯一、鬼畜でない道。
……だと、信じたい! そんな僕の心模様を知ってかしらでか、彼女はちょっと噴出すように笑うとシーツの絡む手を差し伸べてきた。
「私、花咲愛里、あなたは」
「竹内真一郎……です」
とまどいながら彼女の手をにぎり返す僕に笑いながら彼女が言う。
「よろしくマイダーリン」
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