蒼い空へ

第11話

そっと、手を空に伸ばすよ

そっと、手を空にあげるよ


届きそうで届かない距離

それは、まるでキミと僕の距離

伸ばしても飛んでも届かない

あげても手を振っても届かない


キミに会いたいだなんて

思ってもそれはもう叶わない

願っても叫んでも叶わない


叶わない夢をずっと見続ける

果てなく遠い夢を見続ける


遠い 遠い その果てまで

願う 願う 会いたいと願う

願って 願って 願っても

もう会えないという現実がある


前を向くだなんて僕には

大きな試練として待ち受ける


だってずっと心には

キミとの思い出が残ってる

キミを忘れろなんてできない

できない、だから苦しい


僕にどうしろっていうんだ

キミのところに手を伸ばしても

届かない伝わらない追い掛けられない


『キミのもとへと行っていいかい?』

気づいたらそう、僕は尋ねていた


天気が突然変わった

土砂降りの雨、吹ぶく強風

それはまるでキミが空を荒らした

ような天気の気がした


『怒ってるの?』と僕は

気づいたら雷雲に向かって

ポツリと、そう語りかけていた


そっと、空に語りかけるよ

そっと、空に手をかざすよ


少し距離が縮んだかな

そんな、感じがするんだよね

笑っても泣いても怒っても

喜んでも哀しんでも届かない


キミともう一度話したい

そう願ってももう話せない

語りかけても話せない


願わない夢を見続ける

キミの姿を追い掛け続ける


空へ 空へ 手をのばすよ

キミへ キミの元へ手をのばすよ

願って 願って 願っても

もう二度と夢は叶わない


この先どうしていけばいいか

なんて僕にはわからないんだよ


だってずっとキミの姿を

追い掛け続けている僕がいる

追い掛けていないと僕は

僕でいられなくなってしまう


『ねぇ、どうして僕を置いて行ったの?』

キミのもとへといきたい

キミが居なきゃ僕は僕でいられない


『キミのもとへいま、行くよ』

そう呟き足を一歩進めた時だった。


後ろに戻されるように

強い風が僕に吹き付けたんだ。


それは、まるでキミが僕にまだ、

まだだよ来ちゃダメだよって

訴えかけているような感じがした。


『ダメなの?どうして?』

そう呟きしゃがみこむ僕に

風が吹き語りかけたんだ。


『生きなさい、光はあるのだから』


光?そんなのあるわけない。

あの日あの時から僕の時計は

止まったままなのだから。


『1人じゃない、守るものがいる』


そうだ、僕にはキミが遺して

くれた宝物がいるんだ。


やっと、とまっていた時計が

1秒、1分、10分、1時間、1日と

動き始めたんだ。


そっと、空に手をのばす。

腕にはキミとの宝物を抱いて。

『キミの分まで愛情注ぐよ』

2人の宝物『愛の宝』だからね。


『空から僕と愛宝を見ていてね』

娘のはしゃぐ声に笑みを浮かべて

天国のキミへ笑顔で語りかける。


『もう大丈夫だね、頼んだよ』

聞きたかった声が聴こえたんだ。

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日々の思いのままに みーぽん。(魔法のiらんどから移動) @mii-68

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