第29話
ともくんが、部屋から出ていく。
後ろ姿を見つめる。
ああ、
同じだ。
あの時と、同じ。
私のトラウマ。
朝妃:「妃愛、強く生きろよ。俺は、妃愛の味方だ。」
あっくん、泣いてたね。
あの時の、あっくんは…
私から離れるか離れないか
悩みながら辛い決断をして泣いていた。
あっくんの大きな背中が
小さく見えたよ、わたしには。
永遠の別れなんて夢にも思っていなかった。
二度と会えないなんて…
思ってもみなかった。
今でも、信じられていない。
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