第24話

部屋へ通された。通る道に手術室が

見えた。先生が心臓マッサージを

行っている。もうダメなのか?


心拍数が低下してきているのが

見える。医者の2人はわかってしまった。

もう心臓は限界だということを。



『お待たせしました』



家族が居る場所へと先生が

やってくる。




『出血量が多く輸血していますが

出血がとまらない状況です。

心臓も2度とまっています。現在は

かろうじて動いていますが、また

いつ止まっても可笑しくありません』



同期である医者に恭吾は言う。



『それはつまり、今後どうするかを

決めろってことだよな』



『そうなります』



みんなが黙る。それぞれ考える。

何がベストの答えなのか。


時間はない。1分、1秒とも

無駄にはできない。



おばあちゃんが言う。



『心臓はこのまま続けてずっと

動き続けることはできますか?』



『本人の頑張り次第です。』



『そうですか。』




(美緒菜、どうしたらいい?)



(美緒菜、なにを望んでる?)



(美緒菜、わからないよ。)

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