第25話

「悠妃……。悠妃、ただいまっ!」



ニコニコと。

嬉しそうに笑いベビーベッドに

寝ている悠妃を抱き上げた妃響。


メロメロになっている、妃響。



俺は不甲斐ない父親なのに

朝妃と妃響はスクスク育ってくれて

有り難い。立派な兄貴だ。


反抗期に入っている、朝妃の成長も

寂しい気持ちはあるが、嬉しい。

順調に育っている、証拠だといえる。



「あらっ?妃響、学校は?」


「あー、学校?知らん。」


「………知らない?抜け出したの?」


「いーでしょ?赤ちゃんに会う為に

早く帰ってきたんだよ!正当な理由!」



赤ちゃんに会う為に

抜け出してきた、妃響。


正当な理由だと、言い張っている。



「まったく…1人で帰ってきたのね?」



妃響とセットで行動しているはずの

朝妃の姿が見えない。

妃響、1人で帰ってきたってことか。

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