第24話

「いいから、行くぞチビ。」



「ちょっ、ひい……妃響兄っ!待って!行くなんて言ってないけどっ!」




強引に手を掴んで行こうとする妃響兄。



何か考えがあるのはわかるけど。

普段、強引に連れ出しても……優しいんだ。わたしの話を聞こうとしてくれたり、話しやすい環境を作ってくれようとしたり―――……




でも、海は。



海だけは……お兄ちゃん達とは無理。




わたしの弱さを知らなくていい。






***




「嫌だ!」って言っても今日はどうや

ら聞いて貰えないのか……。



半ば諦め気味に妃響兄の助手席に座り、外の景色を眺める。




定期的に、強引に妃響兄はわたしを連れ出す。



時間関係なく、唐突に。




メンタルが崩れかかってる時や、限界に来てる時に……

連れ出してくれているからわたしのことを見ててくれて、理解してくれてるんだって安心感と嬉しさはあるけど、

頼り切ることはまだできてない。




妹に構う暇あるなら、彼女作って結婚しろ!って言い合いになる。





「妃愛、パパとは話せたか?」



「まあ……すこし。」





まだパパは話したいことあったんだろうけど、最小限にしてくれたみたい。




一気に言われてもわたしもパンクするし、気持ちがついて行かなくなる……。

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