第21話

「ひとりで話す時間も作るよ。

パパとも一緒、妃愛もひとりの時間。

パパと一緒が終わったら別行動考えてるから、ゆっくり話したらいいよ。」



「パパ、何してるの?その間。」




別行動はありがたいけど……

パパは何してるの?



近くは海……しかないし、待つ場所はあんまりないと思うけど。

カフェとかもあるけど……長時間パパは居れるのかな?





「ん〜……パパと優哉の共通の友人居るの知ってる?」



「きょうつう……?」




共通……共通……きょうつう?




「龍哉。知らない?

一般人はあまり来ない隠れ家みたいな小さなカフェがあるんだよ。

俺は毎年そこに行ってるんだ。」



「たっちゃん……ん、知ってる。

悪友……って言ってた気がする。」



「そうそう。龍哉は小中高の幼なじみで、梨絵ちゃんとも顔馴染み。

まあ、だから妃愛のことも知ってるしね。ゆっくり話しても大丈夫な場所があるから、心配するな。」




小さい頃、よく遊んでもらってた。




たっちゃんは優くんの家によく来てて、料理とかお菓子を作ってもらって食べてたんだっけ―――……。

そうだった、忘れてた。




優くんの友達じゃなくて、

パパと優くんの " 共通 " の友達だったんだ。なるほど、なるほど。




だから「史哉に似てる」ってよく言われていたんだ。





「会いたいって言ってるよ。龍哉。

俺が会ったら辛いかなとか言ってる。

妃愛のこと心配してるの、パパだけじゃないんだよ。」



「うん。」



「来年は受験の準備で忙しいだろうから……うん。ママ亡くなって10年の節目だからね……。

パパは……今年、妃愛と一緒に行きたい。」




そうだよね、今年ぐらいしか時間がない。




大学入っても時間は作れるけど

それは " 関東 " に進学した場合のみ。






今は関東で考えているけど、

成績によってはどうなるか分からない。

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