第4話
「もう放っておいて!」
関わらないで。ひとりにして。
わたしを構わないで欲しい。
放っておいてほしいんだよ。
――――――
―――――――――
泣きたくなった時いつも海に来る。
泣きながら走った。
息が切れそうになって苦しくなったけど、必死に走った。
第三者から見たら、何かから逃げてるみたいに映るだろう……。
この辺、玖賀家の家の近くは人どおりが少ないから目撃されることはほぼない。
すぐには見つからない……見つけて欲しくない。
「……ッッ……グスッグスッ……ママッッ…………ママあっ……会いたいよっ…………会いたいよっ……。」
ママに会いたい。
わたしはママが大好きで、ずっとずっとママと一緒に居れると思ってた。
それは、パパとお兄ちゃん達と一緒に暮らすようになってからもずっとずっと……大人になるまで居てくれると思ってた。
ママの病気の進行は早くて癌の発覚から1ヶ月も経たないうちに亡くなった。
あっという間だった。
ママがパパと再婚してから半年だった―――……。
「グスッグスッ……ママッッ……ママッッ……」
ママに会いたい。
ママのところに逝きたい。
玖賀家が嫌いなんじゃない。
みんな優しいし、温かい。
生活も苦労してないし、わたしの望むことは叶えてくれてる。
家族旅行も行くし、パパも子育ては熱心に向き合ってくれてる。
不満なんて……ない。ないけど……
足りないんだ。
ママとおじさんが足りない。
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