第2話

side 妃愛




深夜1時過ぎ―――……。



時間を忘れて遊んでいたら深夜になってしまった。

怒られることが嫌で、怖い。

わたしは、足音を鎮め音を立てずに家の中に入ろうと全神経を集中させる。


あと少し、あと少しで玄関に入れる……「おかえり、ひめちゃん。待ってたよ。」……デスよね。




玖賀家のひとり娘のわたし。




深夜帰りなんて許して貰えるわけ……ないよね、あはははは。



今日は幼なじみの翔馬と2人でお出かけして、解散したあと海に行ってた。



幼い頃にママとおじさんに連れて行ってもらっていた思い出の海。

ひとりで行きたくなる時もあるんだ。




「ひめちゃん、オハナシしようか?」



「えー……はい。」




朝妃兄は問い掛けてるけど見えない圧があるんだ。強い圧が。

幼い頃から経験してきても未だに慣れないわたしは、毎回半泣きになる。




朝妃兄の後ろに蒼哉兄、妃響兄、竜妃兄の姿も確認できた。





え?お兄ちゃん達ほぼ勢揃いしてる?







勘弁してほしいなぁ……なんて思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る