第11話


「ずいぶん遅いお帰りだね、

何度も笑菜に連絡入れたんだけど。」


「─…詩楽うた、」



門扉にもたれて腕を組み、不機嫌さを1ミリも

隠そうとしない片割れ。



「それは悪かったな。」


「笑菜は僕のだよ。」


「わかってる、約束は守る。」



わざとらしくため息をひとつ吐き、アプローチを歩いて行く詩楽の背中を見ていたら何かを思い出したように突然、振り返った。



「あ、…そうだ、

今日、笑菜に絡んでたの片付けといたから。

ああゆうのほんと面倒だよね、身の程しらずで。」




ほらな、笑菜…

お前や俺が何とかしなくても金と権力があればこんな世の中どうにでもなるんだよ。

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プラグマ 永続的な愛 はな @hana-19

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