第27話

翌朝の10時。



朝、目覚めたら…

お母さんが居てくれた。

泣き腫らした目をしながら、僕のことを心配して

霊安室から来てくれたみたい。


少しだけ話して、わかれた。



「莉音、家に帰ろうか。」


「………うんっ、うんっ………。」



霊柩車に乗った、お父さん。


お母さんを見送り、今は………

僕達家族とひいにいが居てくれる。


泣かないように我慢してきたけど

お父さんを目の前にして、涙が出た。



お父さんは死んでしまった―――……



夢ではない。現実。もう居ない。


優しいお父さんは、もう居ない―――……。



「ぱぱっ。ぱぱっ………お兄ちゃん……

ぱぱが、ぱぱが……死んじゃったよっ……

詩音っ、詩音………帰りたくないっ、家に帰りたくないっ………。」



優音兄の背中に抱きつき、顔を埋め。


いつもは強がりで。頑固で。男勝りで。

僕のことを泣かせてばかりくる、詩音が……

詩音が………泣いている―――………。



泣きじゃくっている、姿を見るのは……はじめて……。

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