第25話

「妃響は、置いといて。

心配はいらないよ、莉音。

莉音が嫌なら、無理にとは言わないし。

だだ、わかってほしい。

莉音には、優音っていうお兄ちゃんが居るからな?ひとりじゃないよ、莉音は。」



ぼくは、ひとりじゃない―――……



優音兄は、人見知り。不器用ながらも

僕に、伝えてくれようとしてきた。


嬉しくもあり、悲しくもあり―――……

どう受け止めていいか分からなかった。



僕のお兄ちゃん……って、

思っていいのだろうか……って。


蓮くん、樹月くん。

二人にとっても、お兄ちゃんだから。



「なーに、考え込んじゃって。

かわいいね、莉音。悩まなくていいの。

蓮も、樹月も弟。莉音も弟。アイツらはわかってるから。弟と妹が居ること。」


「うん、うん……。」


「ふっ。可愛い。大丈夫だよ、莉音。」



大丈夫、大丈夫―――……。



信じて、信じていいんだよね?


お兄ちゃんって思っていいんだよね?甘えていいんだよね?僕の、お兄ちゃん……なんだよね。



ずっと、ずっと―――…欲しかったお兄ちゃん。

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