第28話

───────……




最悪…。



そう思うしかなかった。



塾から家へと帰る途中で、梅雨という季節だからなのか、突然降ってきた雨。




最初こそ小雨だったものの、次第に本降りになり始め…。



傘も持っていなかったため、ずぶ濡れになるのは避けたいと思い、意味があるのかないのか鞄を頭に掲げ雨を凌ぎながら慌てて家に帰ろうと走ったのだ。



慌てたのが良くなかったのか、単に運が悪かったのか。




雨に濡れた用水路に付いてるグレーチングの部分で思いっきり足を滑らせ。




両手の塞がるわたしは上手く受け身を取ることもできず、見事にコンクリートの上で両膝を滑らせるような形で転んでしまい。




「いっ…!」




思わず声が出て、涙まで出そうになるほどの激痛を味わった。

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