2.
第26話
息吹藍の存在は、最初こそ住民達を騒がせていたものの、ふた月も経てばその存在にも慣れてきたのか騒ぎ立てる程のものでは無くなった。
とは言っても、その存在が目につかない訳では無い。
塾帰りでは、ガラの悪い数名の不良達がコンビニの前で話すのを変わらず目にする。
人の噂もなんとやらで、住人たちが慣れただけということ。息吹藍という存在に。
だからと言って住人たちが息吹藍に慣れ親しんでいるという訳では無い。本当にただ存在に慣れただけ。
「息吹さんの息子さん、
どこからそんな情報を得てきたのか、嫌そうな顔を隠しもしない母親からそう聞いた。
お世辞にも偏差値が良いとも言えないその高校は、いかにも不真面目という人間が通っているという認識。
あの日以来、朝に見かけることのなくなった男は、そもそも家を出る時間が違うのだと悟った。
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