第24話
エレベーターが1階にたどり着き、コンシェルジュが通り過ぎるその男に挨拶をし、エントランスから出ていくまで、わたしはずっとその男の後ろ姿を見つめていた。
ありえない程のガラの悪さに、目が離せなかった。
『あんな子と関わっちゃダメだからね』
昨日そう言っていた母親の言葉を思い出して、言われなくてもそうすると思った。
関わるわけがないし、もっと言えば関わりたくない。
あんな見た目で、『常識』なんてものを全て振り切ったような男とは間違っても関わらないだろうし、向こうだってわたしのようなタイプの女には関わりたくもないだろう。
合わない。
わたしと彼は生きている世界線が全く違う。
決して、正しい存在ではないその男の名前を知ったのは、このマンションに住む噂好きなマダム達が何度も何度もその名を好き勝手に口にしていたからだった。
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