グループ

高校時代に一番恐れていた事はなんでしたか?


私はグループです。


いや、別にグループや班での活動が苦手な訳ではないんです。自分としても、友達から見ても私は超絶社交的。コミュ力が高い方。


私が恐れているグループは、女子のあの何とも言えない気持ちの悪い「むれ」。

男性の方々でも学生時代に覚えがあるのではないでしょうか?


いわゆる「陽キャ」たちの毎日ギャーギャーと喉に猿か七面鳥でも飼っているのではないかと思える女の子たちのグループ。


その女の子たちに毎日ヘコヘコと頭を垂らし金魚のフンのような二軍の女の子たち。


二軍の女の子たちが冷ややかな目で「あいつらよりはまだ大丈夫。」と確認して安心材料にするクラスの浮いてる女の子。


私は高校一年生の夏休み前、「二軍」と呼ばれるところにいましたが、二軍の中のボス猿に嫌われ、浮いている女の子へ転身。


浮いている子になって初めてわかりました。みんな必死なのだと。


蹴落とされないように。

自分の置かれたキャラクターを守るように。

みんなが足並みを揃え、クラスの生態系を崩さぬように。


それに気がついた時に良いか悪いか、俯瞰して物事を考えられるようになりました。


七面鳥女たちも。頭を垂れる稲穂女たちも。みんなInstagramやLINE、𝕏(旧Twitter)などでプライベートまでお互いに監視し合いながら、自分の立場を守るために必死なのでしょう。


日本史の教科書にに出てきた五人組制度ってこんな感じじゃなかったっけ?分かんないけど。


大変だね。


私が二軍のグループから浮いている女の子に転身した時。元同じグループだった地味めな二軍の子に言われたのです。


「フジちゃんは喋ったら面白いし、今から他のグループに入ってもやっていけるよ!とにかく、私のいる周りのグループで揉め事とか起こさないで欲しいんだよね!面倒に巻き込まれたくないし!」


「は、、、?」


先にも書いたが、この私が浮いている子に転身した(私の中では)事件が起きたのは夏休み前である。


ボス猿以外におまえもか。と逆に面白く感じる。それと同時に気持ち悪いなこいつら。とも感じる。


新高校一年生にとって夏休み前に急に友達だと思っていたヤツらに裏切られ、他の群に入れというのは何がなんでもむちゃだ。


(画が強かったり、一部の人間関係構築が上手な人はそんなこと屁でもないのかもしれないですが。)


この時、みんなわがままで、むちゃくちゃで、自分勝手で。

自分を守るのに必死なのだとわかった。



母に相談した。

40代の母によると、母の学生時代にそんなことは無かったというのです。


(私は即座に「うそだぁ!」と返したが、嘘じゃない。と軽く怒られた。)


母曰く、

特に今の子はSNSでの監視が大変ねぇ。

とのこと。


えぇ。大変ですとも。

私たちの世代は特に。

SNSからの恩恵を受けている部分と、最悪な影響を受けている部分を幼い時から知っているのだから。


SNSさえ無ければ。

誹謗中傷も、現代の若者の自己肯定感の低さも、グループの呪縛も無かったのであろうか。


大人の人たちへ。

思い返してみてください。

グループは恐ろしかったですか?

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「普通のおんなのこ」から「おとなたち」へ。 フジヤ @huziya_ppp

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