第6話

だから不安になる。


車椅子バスケは、激しい車椅子のぶつかり合いだった。


始めて間もないケンは、他の選手に全然負けて居なかった。


喧嘩で鍛えた体があるからってケンは言っていた。



ケンが言う様にガクは有り余る力を、一体どこで発散してるんだろう。


「ケン、またね!」


私は夕食の買い物をして帰る。


夕食は私の役割。



ガクは仕事の後に、図書館で勉強してから帰ってくる。


私が居ると勉強に集中できないそうだ。


あのガクが図書館なんて笑っちゃう。



今夜はガクの好きなロールキャベツ。


もう9時、そろそろ帰ってくる時間。


ロールキャベツを温め直した。


でも、いくら待っても帰って来ない。



遅くなる時は電話をくれるはずなのに。


『何時に帰る?』


メッセージを送っても既読にならない。

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