第31話

「ありがとう」


私達は別々にシャワーを浴びて、大きなベッドの端と端に背中を向けて横になった。


「ヤバイ、俺すげー眠い。


先に寝たらごめんな!


でも、寝落ちするまで話してよう」


「うん」


凄く緊張する、1日で凄く2人の距離は縮まった。


鈴に何から報告したら良いんだろう。


「あっ、バイト。バイトは何してるの?」


「バイクの修理。


って言っても俺が修理できる訳じゃ無くて、洗車とか雑用。


ずっと欲しい物があって働いてもう1年経つ」


「1年も前から?高い物なの?」


「二輪の免許の教習所代と新しいバイクの金」


あっ!タクシー代も払ってもらったしホテル代も私持ってない。


「ガク君、お金ちゃんと返すから……」


背中からガク君の寝息が聞こえる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る