第30話

07:「……なんか今……聞き捨てならない言葉があったような……。」



「あー!!」


メジオラ高原で探索を続けていたルーク一行。その中で魔物があたりにいる可能性があるというのに、声を上げたのは…ルーク。


「どうしたの、ルーク?」


「何か忘れたのか?」


ティアとガイが近づく。


「食材がもう無いんだ!」


『…はぁ?』


「そういえば…」


アニスは思い出していた。戦闘終了後に料理を作っていたことを。


「今、食材を調達しに戻っている場合ではありませんものね」


ナタリアも理解し、うなづいた。


「でしたら、しばらくは“グミ”でしのぐしかありませんわね」


『ええーっ』


ナタリアの案に口を尖らせたのはルークとアニス。


「文句を言ってはいられませんよ」


間に入ったのはジェイド。


「…ですがやはり、ここに来てからはルーク(のマズイ料理(小声))しか作っていないので、私もお腹は空きました」


「ちょっと待て。

……なんか今……聞き捨てならない言葉があった気がするぞ?」


「気のせいですよ」


有無を言わさぬ微笑みを見せて、ジェイドはナタリアが持っていたグミをもらって先に進んだ。

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